家族が亡くなってしまうのは寂しいものです。もっと長く生きていて欲しかったと思いながら、悲しむばかりでなかなか気持ちの整理が出来ないと思います。

しかしいつまでも塞いでばかりもいられない、踏ん切りをつけようと遺品の整理を始めるがなかなか進まない。私もそうでしたが、きっと多くの方が通る道なのだと思います。

片付けようとしていくと手に取るものに次々と思い出がよみがえり、捨てられなくなってしまいますが、私はそれも大切な時間なのではないかと思っています。心の中に思い出を刻みながら遺品を整理していくことで、気持ちも徐々に整理できていきます。

ここではご自分で遺品整理を行う場合、スムーズに片付けていく方法といくつか注意しなければならない点がありますので、まとめていきたいと思います。

全てを片付けよう、処分しようと考えるとなかなか進まなくなってしまいます。捨てるものを決めようとせず、残すものを選ぶつもりで進めていくと比較的スムーズに整理できると思います。

大抵の場合はスペースの関係で残せる量は決まってくるでしょうから、最初に残す量を決めてしまうのです。ダンボール一箱分などに落ち着くのではないでしょうか。

その中に入るものを選ぶつもりで荷物をみていき、そこに残せないものは処分すると決めるわけです。[無料イラスト] 閉じられた段ボール残すもの、残さないものを単に思い出の内容で決めようとすると線引が難しく、全てを残したい、残さないといけないような気持ちになってしまいます。ですから、ダンボール一箱に入るものだけ、と決めてしまえばスムーズに進みます。ぜひ試してみてください。

遺品を整理しはじめると部屋が散らかってしまったり、あちこちに移動することで元の場所がわからなくなったりすることがあります。そうなる前に、つまり遺品を整理し始める前にやっておくことがあります。

現金や預金通帳、貴金属などの貴重品、それと不動産や保険、借入金やローンなどの契約書類を見つけて分けておくことです。これらは相続などに必要な他、解約などの手続きをしなければならなかったり、期限があったりと注意が必要です。

特に契約書などはひととおり目を通しておかなければなりません。自分が契約したことのないタイプのものは何を気をつけなければならないかもわからないため、問い合わせるなどしておいたほうが安心です。

これらの重要なものは家の中に隠されていることも多く、探し出すのが大変なことがあります。タンスの奥、押入れの隅、天袋の上や畳の下など様々なところに隠す人がいるようです。

これを全て調べつくすというのは難しいので、あらかじめ何があるはずかを洗い出してから探すほうが良いでしょう。銀行の貸し金庫やトランクルームなどに預けている方もいるので、これらの契約書などが無いかも気をつけておきましょう。

また、水道光熱費や通信費、クレジットカードなどの明細書もわけておき、いつでも解約手続きができるようにしておかなければなりません。ふつうは通帳などを全て止めてしまうため、そこから引き落とされていた電気料金などは引き落としが出来なくなります。

しばらく維持するのであれば名義を変えて引き落とし手続きなども更新しておく必要があります。携帯電話などは故人の友人などと連絡が取れなくなってはいけないからと解約しずらくなりがちなようです[無料写真] クレジットカードを持つ手が、ある程度たったら解約しましょう。

そして処分を始める前に分けておきたいものが、形見分けです。家族や親戚、ご友人などで遺品の中から形見分けが欲しいという方がいらっしゃると思います。形見分けは四十九日が過ぎてから行うのが普通です。

目上の方が亡くなったときに目下の人に送るのが形見分けなので、故人の目上の人には送らないようにしましょう。送るときは箱に詰めたり包装したりなどは不要です。また、高価なものは避けましょう。相続なども含めトラブルの元となり、かえって迷惑となってしまいます。

処分しやすいのは書籍です。大抵の方は結構な量の本を持っていますが、これは古書店に引き取ってもらいましょう。大手のチェーン店であればダンボールで郵送して買取するサービスをしています。

価格のつかない本はそのまま処分もしてくれるのでとても楽です。しかし価値のある書籍などを特別に評価することはしていないので、そのような本がある場合にはきちんとした古書店に一度見てもらい、残りを大手チェーン店で一括処分とするのが良いかもしれません。

量が多くてかさばるのが衣類です。これも古着屋で引き取ってくれます。こちらも大手チェーンが増えてきており、やはり郵送での買取サービスも行っています。書籍と同様に引き取れないものは処分してくれます。

衣類は思い出もあり、気持ち的にもゴミ袋にいれて捨てずらいものですので、誰かの役に立つならと考えられるなら良いと思います。逆に他の人に着られるのは嫌だという方も少なくないようですので、寄付など含めて検討してみましょう。