遺品整理ももちろん大変ですが、その後で家や土地という不動産をどうするのか、住むのか売るのかも大きな問題です。すでに遺品整理を始めている方はもう既に決まっているのかもしれませんが、まだ結論が出ていない方向けに整理してみます。

いままでの日本では、実家は継ぐのが当たり前、子供たちに家や土地を残すことが大切、長男は土地を守っていかなければならない、という前提のもとに動いてきました。しかし、土地を守って田舎で生きるより、仕事のある都会で生きることを選択する人たちが増えています。

これにより誰も継がない実家というのが増えています。実家の建物や土地が遺産という財産ではなく、売ることのできない、誰も住まない、維持費が掛かるだけの負債になってしまい、空き家として放置さ[無料写真] 差し出された家の模型れたり、さらには相続放棄により所有者不明の土地になってしまっています。

最近増えている相続放棄ですが、手続きはそれほど難しくありません。しかし注意しなければならないのは相続放棄は不要なものだけを放棄することは許されていません。

例えば、銀行の預金は相続して、売れない実家は相続放棄するというようなことは出来ません。全てを相続するか、全てを相続放棄するかのいずれかの選択となります。

このため、よほど負債が多いということでない限りはいきなり相続放棄をすることはなさそうです。住むにせよ、売るにせよ、貸すにせよ、まずは遺品整理をしつつ必要な書類などを探す必要があります。

遺品整理の最初に重要な書類を見つけておき、他のものに紛れて処分することがないようにしなければなりません。不動産に関しては、いわゆる権利証という書類を探します。

昭和のドラマに、借金の形に土地の権利証をもっていかれた、みたいな話がよくありましたが、実はこの権利証(正確には登記済証)は2005年から廃止されています。

2005年以降に購入した土地の場合は登記識別情報(12桁の英数字)と登記完了証があると思います。いずれにしても現在では登記情報はインターネットで検索できますが、家族といえども全ての不動産を把握していない場合もあります。手掛かりは多いほうがよいのでしっかり探しておきましょう。

権利証(登記済証)が廃止されたことにより、以前のように土地の権利証を確保したから土地の権利は私のもの、とはならなくなっており、きちんと名義変更を行わなければなりません。逆に言えば、過去は名義変更がきちんと行われていない、古い登記のままになっていることがありえることになります。

また、農地や山林など広い土地の場合、相続時に分割が難しかったために共有名義となっていることがあります。共有名義のまま、名義人が亡くなっているとその子、孫へと権利が分散していて想定以上の人数の共有状態になっていることもあります。

このように土地の所有権の問題は、権利証が見つからない場合、共同名義になっていた場合、前の相続[フリーイラスト] 家族と念願のマイホームが正しく行われていなかった場合、土地の境界線がはっきりしていない場合など複雑なイレギュラーが多くありえるものですので後々問題を残さないよう、弁護士、司法書士、税理士などの専門家に相談しながら確実に進めることをおすすめします。

相続する土地がはっきりしたら、土地の価値を調べなければなりません。土地の価格というのはひとつの土地に対して実勢価格、公示地価、路線価、固定資産評価額と何種類もの金額があり、変動しています。

このため、聞いていた価値と全然違うなどということがありますので不動産屋と安易に話を進めたりせず、不動産鑑定士や税理士と相談した上で価値を正確に判定してもらうようにしましょう。

次に建物ですが、遺族がそのまま住む場合や建物ごと全て売る場合は良いのですが、相続が複雑な場合、価値が低くて売れない場合などは古くなった建物をどうするかという問題になります。

古くなって誰も住まない建物は通常よりも早く傷みますので取り壊すほうが良いのですが、取り壊しにも費用がかかるのに加え、建物が立っていない更地というのは維持する固定資産税が数倍も高くなるという問題があります。

このために誰も住まず、しかも住めないほど荒れた空き家のまま土地が放置されているという状況になります。これが田舎で問題視されている空き家問題です。

この空き家の問題は根深く、簡単には解決できません。地元の住民にとっては町の美化の問題、放火も[無料イラスト] 消火器含め防火・防犯問題と地方自治体にとっては非常に深刻な問題となっていますので、空き家を減らすべく各種の条例が作られたり、支援金などを出して取り壊しを推し進めたりなどの対策が取られています。あまりに危険な場合には行政代執行などで強制的に撤去するなどの処置が取られることもあるようです。

このように持ち家の遺品整理の場合には、家屋の中の残された遺品を片付けるだけではなく、不動産の相続にまつわる多くのことと関係してきます。