2021年2月末に社会福祉協議会様より、ご高齢の女性が住まわれている2DKのアパートが、
ゴミ屋敷になっているということで片づけのご依頼をいただきました。

社会福祉協議会様が女性に施設への入居を促したのですが、
女性は自宅での生活を希望したため、少しでも環境が緩和されるようにと、弊社にご相談をいただきました。

今回、弊社が担ったのは、捨てるものをトラックに積み込んで処分をする作業です。

予算が限られているとのことで、袋詰めはご依頼主様や家主の女性が行い、ビニール袋80袋代と処分代みの8万円でお話しを受けました。

3月10日、現場に行ってみると、2階建てアパートのその部屋からモノが溢れていました。

まず目に飛び込んできたのは、玄関付近にあるネットショッピングや配送で使われた段ボールの山でした。

玄関のドアの向こうには、ゴミが詰まった袋の上にゴミの袋が積まれた廊下、ゴミで埋もれた部屋が見えました。

家主の女性はその上を歩いて生活をしていて、とても危険な状態です。

また、ゴミの中には食べかすや生ごみもあり、
虫が湧いたりネズミがかじっていたり、とても不衛生な状態でした。

運び出されたゴミも食器類や生ゴミ、

何かの汁状のゴミなど台所回りのものが多かったです。

実は、このアパートの目の前にはゴミ置き場がしっかりと設置してあります。

それにも関わらず、なぜここまでゴミが溜まってしまったのかというと、

やはり年齢の問題が浮上します。
女性の部屋は2階にあります。

歳を取ると足腰が弱まり、階段の上り下りが辛くなってきます。

すると、ゴミ置き場までゴミを捨てに行くのが面倒になり、とりあえずゴミをまとめて廊下やアパートの通路に置いておく。
これを繰り返して、ゴミ屋敷へ発展してしまうのです。

結局、先にお話しをいただいた袋詰めの作業も依頼主様や家主の女性は行っておらず、到着した弊社スタッフもゴミの袋詰めの作業を無償で手伝いました。

いつも遺品整理や家財整理などで行っている、意思決定のお手伝いも少しさせていただきました。
最終的に、ご依頼いただいた80袋のゴミは、その女性の部屋に積まれているゴミの3分の1にしかなりませんでした。

あとの3分の2のゴミは、その部屋に残したまま弊社の仕事は終了しました。

その後もケアマネージャーの方が多少袋詰めを行ったようですが、結局のところ女性自身の気持ちに変化がなければ、また同じ状況になってしまうと思います。

今回の部屋は“自分でできる”“自活できる”という女性の意志の強さが、裏目に出てしまった結果ではないかと思います。

自分は家族の力がなくても大丈夫、自分で片付けられると思っていても、
気が付いた時にはどうしようもできない部屋のあり様になっていたということは、高齢化社会において十分に起こり得ることです。

ご自身で気が付くことは難しく、
また、気が付いたとしても弊社のような片づけのできる会社に自ら相談するというのは、恥ずかしさもありなかなかできないものです。

セイリョウとしては、家族や周りの人が早めに気が付いて、ご連絡いただきたいと考えています。
ご高齢の家族が家の中で安心して健康に生活できるように、お気軽にご連絡ください。