故人の葬儀が終わり、49日法要も行い、そして遺品整理(撤去処分)も一段落すると、最後にお墓を何処にしようかという問題が出てきます。ロードサイドにある野立て看板等で、「◯◯霊園」という具合の、共同墓地の宣伝を見かける事があります。一昔前は郊外の大きな土地を使って、宗派を不問にした共同霊園が沢山ありました。最近は都心部から1時間圏内の距離で、小型の共同霊園が増えています。

郊外に行けばお墓を建立する費用は抑える事が出来ますが、法事、お彼岸、お盆と、お墓参りに行く時は1日掛かりの行事になる為、段々と無縁仏になるお墓も珍しくありません。お墓を建立したご本人は通い続ける事が出来ても、その子供やお孫さんまでが継続して続けれられるかというと、世代交代が進むにつれて無縁仏になる確率は高くなります。昔と違った、核家族化の流れと、現代の住宅事情を考えると、お墓の購入をどうしたら良いのかという問題に行き当たります。最近はご家族様毎にその時の事情を考慮して、色々な選択肢を選んでいらっしゃます。その一部をご紹介いたします。

1、共同霊園に埋葬する

近年は共同霊園が増大している事で、お墓の購入検討する方々の多くが、共同霊園を選択されている方が多くなりました。理由はお寺さんにお世話になると、檀家としてのお付き合いや費用負担の心配があるからです。この風習は日本古来の習わしで今も続いていますが、時代の流れとともに変化しているお寺も一部ありますが、まだまだ色濃く続いているように感じます。「費用」「お手間」を最小限に抑えたい場合は、良いかもしれません。

2、お寺に埋葬する

近年の共同霊園の増大に伴い、昔から続くお寺さんでお墓を建てる方が減ってきています。昔からの風習による負担も多いですが、お寺さんの方でお墓の管理をして頂いたりして貰います。また、昔から街中に存在するお寺が多く、交通の便が良い所にある事が多いです。そして何よりも、長年のお付き合いになりますので、家族の歴史や想い出話を語らう事が出来る、隣人的な存在になって頂けるのはなんとも心強いです。

3、樹木葬で埋葬する

ここ数年は樹木葬という許可を得た墓地(霊園)等に、樹木を墓標として故人を弔う方法です。遺骨を埋葬するたびに新しい苗木を植えるケースから、墓地のシンボル樹木の周辺に遺骨を埋葬するケースなど様々な方法があります。それぞれの墓地(霊園)によって、全体を樹木葬墓地とする場合と、一般墓地や芝生墓地と樹木葬墓地と種類が沢山あるので、事前の確認をして下さい。

4、散骨で埋葬する

少し前から墓地を持たずに、海に散骨をする事を望む方が一部で増えていました。「生前に海が好きだった」「マリンスポーツが好きだった」「海外に住んでいたから」等々、理由はその人それぞれです。しかしながら、まだまだ法律の整備や新しい埋葬スタイルを良しとしない方々もいらっしゃる為、専門で行なっている会社さんにご相談の上で行う事をお勧めします。

5、お寺で永代供養埋葬する

永代供養とは、寺院が永代にわたり供養する事を言います。「自分の世代で家督を継ぐものがいないので、お墓守をする事が出来なから」「子供が遠方地に居て中々お墓参りが出来ないから」「無縁仏になっている田舎の先祖代々のお墓を守って欲しいから」「身元引受人がいないから」等々、色々な事情でお墓参りが出来ない方々を救済してもらう為に、お寺さんで代わりをしてもらう埋葬形態です。近年は核家族化、晩年離婚などで、人生の最後を孤独に迎えられる方が多いらっしゃいます。そのような方でも、安心してもら為の埋葬方法です。